肛門疾患
適応となる病気と手術
血栓性外痔核に対する血栓除去手術
肛門付近の血流が滞ると、そこで血液が固まってしまうことがあり(血栓)、そのために腫れてしまった状態を血栓性外痔核と呼びます。ほとんどの場合、血栓は自然に消退しますが、状態によっては、これを摘出・除去します。
痔核に対するジオン注射
病変が内痔核中心で、かつ脱出が軽度にとどまる場合は、ジオン注射による硬化療法も適応になります。血流が減ることで痔核が縮小する事、また無菌性の炎症を惹起して滑脱する痔核を筋層に固定する事によって痔核の脱出や出血を軽減します。
日帰りで行える事に加え、痛みや出血といった術後の合併症が少ないというメリットがある一方、痔核が完全になくなるわけではないので、再発・再燃が多いというデメリットもあります。また、外痔核には適応がないため、適応はある程度制限されます。
- 近年、外痔核のみ切除して、内痔核にはジオン注射を行うというハイブリッドな術式が広まりつつありますが、術後の痛みが少ないというジオン注射最大のメリットが活かせないため、当院ではこの術式は行っておりません。
痔核に対する結紮切除術
結紮切除術はあらゆる痔核に対応できるゴールドスタンダードと言える術式です。
痔核を過不足なく切除し、痔核の根部を結紮して切除します。切除後の創は縫合閉鎖します。
痔核が大きい場合や数が多い場合は入院手術となりますが、小さな痔核で内痔核と外痔核が併存している場合(内外痔核といいます)、1カ所程度であれば日帰り手術で切除可能です。
痔ろうに対する切開解放術
条件は限られますが、単純で浅い位置の痔ろうであれば、日帰り手術可能です。
日帰り手術では主に、切開解放術を行います。
痔ろうの入り口、ろう管、出口を全て切開して開放する術式です。
皮垂の切除術
肛門部皮膚のたるみや出っぱりを皮垂と呼びます。
基本的に積極的な治療は必要ありませんが、たるみや出っぱりがどうしても気になる場合、大きさによっては外科的切除を行います。ほとんどは日帰りによる手術で対応可能ですが、大きい場合は入院手術の適応になることもあります。
- 形成的な意味合いが強い場合、当院では対応できないこともあります。
入院手術について
肛門の手術に関しては実際のところ、日帰り手術の対象となる病気は限られており、何でも日帰りでできる訳ではありません。しかし当院はグループ病院のひとつであり、入院手術にも対応可能です(本院で行います)。
日帰り手術が可能であることと同様に、入院手術にも対応可能であることもまた、当院の大きな特長です。しかも複雑痔ろうを含め、当グループで対応できない病気はほとんどありません。専門性が求められる高度な手術にも対応可能です。
日帰り手術では不十分と思われる病変でも本院にてしっかりと対応させていただきます。