裂肛(切れ痔)
裂肛とは
いわゆる「切れ痔」のことで、肛門の上皮が裂けてしまった状態です。
肛門の容量を超えるような固い便を無理やり排出した際に生じることが多く、肛門上皮の血流不全がベースにあると言われています。
裂肛は急性と慢性に分けられます。
切れて間もない比較的フレッシュな傷を急性裂肛と呼び、出血や時に激しい痛みを伴います。軟膏や内服による保存的治療で改善することがほとんどですが、何度も同じ場所を切ってしまうと治りにくくなり、そのような状態を慢性裂肛とよびます。
慢性化すると、裂肛の奥や手前にいぼができたり(肛門ポリープ、見張りいぼ)、肛門が狭くなったりすることがあります(肛門狭窄)。
治療について
軟膏薬や坐薬などの外用薬の他、便が硬いケースでは排便のコントロール(食事療法や内服薬により便を軟らかくする)を行います。慢性化して、こうした治療で改善が望めない場合や、肛門が高度に狭窄してしまった場合は手術が必要になります。
手術では裂肛の切除に加え、狭窄を伴う場合は括約筋の切開や皮膚弁移植による肛門拡張術を行います。裂肛の手術は基本的に入院が必要になりますが、本院(西新井大腸肛門科)にて専門医が対応させていただきます。