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大腸

大腸のイメージ画像

当院では大腸カメラを行っており、大腸の疾患に広く対応しております。
当院で対応している主な病気は以下になります。

便秘症

便秘症とは

「便秘」とは、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」を指し、「便秘症」とは、「便秘による症状が現れ検査や治療を必要とする場合」と定義されています。その症状としては排便回数の減少によるもの(腹痛や腹部膨満感など)、硬い便によるもの(排便困難や過度な努責)、便の排出障害によるもの(残便感やそれによる頻回の便)があります。
生命にはかかわらないものの、日常生活や心理面に多大な影響を及ぼします。
本来女性に多い病気ですが、男女とも年齢とともに増加していき、80代では男性の方が多くなります。
排便回数減少型と排便困難型に大別されますが、大腸癌や直腸瘤、巨大結腸症などの器質的異常が隠れていることもあり、大腸カメラによる大腸の検査は重要です。その他排便造影検査や大腸通過時間検査、直腸肛門内圧検査などの専門的な検査を要するケースもあります。

治療について

食物繊維や水分の積極的な摂取、適度な運動、規則正しい食事など生活習慣の改善が重要です。それでも改善が見られない場合、下剤等による薬物療法を行います。
一般の方が「下剤」と表現する薬は、「刺激性下剤(腸管を刺激して排便を促す薬)」を指している事が多いのですが、便秘症治療の中心は「非刺激性下剤(便の水分を増やして軟らかくする薬)」です。
その他、便のボリュームや硬さを整える薬、胆汁酸の再吸収を抑える薬、便のすべりをよくする薬、一部の漢方薬など、多彩な作用機序を持つ様々な薬があります。
さらに、坐剤や浣腸など肛門から使用する薬や、整腸剤に代表される腸内環境を改善させる薬などを使用します。
患者様の排便の頻度や便の性状、困っている症状などを考慮し、上記薬剤を適切に組み合わせて治療していきます。

感染性大腸炎

感染性大腸炎とは

細菌やウイルスなどの微生物を原因とする大腸炎の総称です。
冬場に多く見られるウイルス性、食中毒の中心となる細菌性の他、原虫によるものもあります。

  • ウイルス:ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど
  • 細菌:病原性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオ菌、クラミジア、スピロヘータなど
  • 原虫:赤痢アメーバ

臨床像は多彩ですが、下痢や腹痛、発熱、嘔吐で発症することが多く、ときに出血することもあります。

治療について

対症療法が中心になりますが、特に下痢・食欲不振から来る脱水に注意が必要です。
下痢止めは細菌やウイルスの排出を妨げ、かえって改善を遅らせることがあり、使用には注意が必要です。原因菌によっては、抗菌薬を使用します。
経口摂取が困難な場合や腹痛が強い場合、入院が必要になることもあります。

虚血性腸炎

虚血性腸炎とは

大腸の血流が悪くなることで粘膜に炎症を起こす病気です。
動脈硬化に代表される血管因子や、便秘に代表される腸管因子が影響すると言われています。主な症状は腹痛や下痢、下血です。大腸カメラで観察すると縦走するびらんや潰瘍が見られます。

治療について

絶食等で大腸の安静を図ることで、多くの場合は一過性に自然治癒します。
炎症が高度な場合、入院や手術が必要となることもあります。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは

慢性的に下痢や便秘を繰り返すにも関わらず、大腸カメラやレントゲン検査で異常が認められないという病気です。緊張を強いられる場面でお腹がゆるくなる、途中で電車を降りてトイレに駆け込む、といったことが多い方は、過敏性腸症候群の可能性があります。
腸管のぜん動運動や消化吸収に異常を来たした状態ですが、心理的なストレスや自律神経の異常、腸内環境の乱れ等、様々な原因が関与していると言われており、現代社会に増えている病気です。
似たような症状を呈する病気は数多くあり、大腸カメラで異常がないことを確認することが重要です。生命に関わる病気ではありませんが、程度によってはQOLを低下させてしまいます。

治療について

生活習慣の改善、食事療法、薬物療法が中心となります。

生活指導
睡眠不足や過度の疲労、ストレスを避けることが重要です。
食事療法
規則正しい食事はもちろん、アルコールや刺激物を控えることや、食物繊維の摂取が重要です。また近年、小腸で消化吸収されずに大腸に至り、大腸で発酵する食品(FODMAP)が注目されており、これを避けた食事が有効と言われています。
薬物療法
便の性状を改善する薬や腸の動きを改善する薬で症状の改善を図ります。
心因的な要素が強い場合、抗不安薬や抗うつ薬等の心療内科的なアプローチが有効なこともあります。

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患とは

消化管に原因不明の炎症を引き起こす疾患群です。全消化管に炎症を起こす可能性のあるクローン病と、大腸を中心に炎症を起こす潰瘍性大腸炎が含まれます。
本来欧米に多い病気でしたが近年日本でも増加しており、2022年現在日本人の約500人に1人が潰瘍性大腸炎、約1700人に1人がクローン病に罹患していると言われています。
主な症状は慢性的な腹痛や下痢・下血で、20-30代の若年成人に多く発症し、悪化(再燃)と改善(寛解)を繰り返します。
症状だけで診断することは困難で、診断には大腸カメラや病理組織学的検査が必要です。

クローン病とは

クローン病は全消化管に炎症を生じ得る病気ですが、跳び跳びに炎症を起こすこと、炎症は消化管の全層におよぶことが特徴です。
放置すると徐々に炎症が悪化していき、腸管の一部が狭くなったり(狭窄)、腸管に孔があいたり(穿孔)して手術が必要になることもあります。

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎は、近年特に患者が増加している病気です。
炎症は大腸が中心で、直腸から連続性に進展すること、炎症は消化管の粘膜にとどまることが特徴です。炎症を長期間放置すると癌が発することがあるため、大腸カメラによる定期的な観察が必要です。
癌化したり、急激に重症化した場合、大腸の切除が必要になることもあります。

治療について

基本薬である5-アミノサリチル酸製剤をはじめ、ステロイド、免疫調整薬、抗体製剤、JAK阻害剤、カルシニューリン阻害剤、血球成分除去療法などの治療が保険適応となっています。クローン病では栄養療法も有効とされています。
内科的治療で炎症を抑えて、きれいな粘膜の状態(寛解状態)を維持できれば、必ずしも怖い病気ではありませんが、前述したように手術が必要になることもあります。
特にクローン病ではいかに手術を回避するかが治療の目標となります。
アルコールや高脂肪食は症状を悪化させるため、日々の食事に気を付けることも重要です。

大腸憩室症

大腸憩室症とは

大腸壁の一部が袋状に外側に飛び出している状態を大腸憩室と呼びます。
加齢とともに増えていき、上行結腸やS状結腸に多く発生します。
憩室自体は病気ではありませんが、細菌が繁殖して炎症を起こしたり(憩室炎)、出血したり(憩室出血)することがあります。

治療について

憩室だけでは治療の対象になりませんが、憩室炎や憩室出血では治療が必要になります。
憩室炎では、絶食による腸管の安静や抗生剤による治療を行います。多くはこうした保存的治療で改善しますが、炎症が高度だと穿孔(腸に孔があく)することがあり、腹膜炎を起こした場合は手術が必要となります。
憩室出血は自然に止血することもありますが、出血が多い場合、止血が必要になります。
大腸カメラで出血点を見つけてクリップやバンドで止血する方法や、透視下に出血点に至る血管をコイルで詰めて止める方法があります。

048-960-2233
診療内容
肛門科、消化器内科、大腸カメラ、胃カメラ、日帰り手術、各種検診・健診
院長
左雨 元樹
  • 医学博士/日本外科学会認定外科専門医・指導医
  • 日本大腸肛門病学会認定大腸肛門病専門医・指導医・評議員
  • 日本消化器外科学会認定消化器外科専門医・指導医
住所
〒343-0808
埼玉県越谷市赤山本町8-5 山六ビル2F
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