便潜血陽性
便潜血検査とは
平たく言えば、「便に血が混じっているかどうか」を調べる検査です。
検査方法はいくつかありますが、現在主に使われているのは免疫学的方法と呼ばれるものです。免疫学的方法は、ヒトのヘモグロビンに対する抗体を用いて便中の血液を検出する方法で、豚や牛、魚など他の生物の血液には反応しません。しかもヘモグロビンは、胃酸等の消化液により変性するため、胃や十二指腸からの出血には反応しません。
つまり、大腸からの出血を特異的に検出するのに優れた検査で、大腸がんのスクリーニング検査として、大腸がん検診で広く用いられています。
越谷市の大腸がん検診の報告では、便潜血検査の陽性率は7.0%前後、陽性となった方の5.0-6.0%が大腸がんと診断されています。
大腸カメラによる精密検査
2日分の検体(便)を検査して、1回でも潜血があれば「陽性」と判定します。
検出するのはあくまで「血液」であり、がん以外にも炎症やポリープ、痔核からの出血でも陽性となります。したがって、便潜血検査が陽性となった場合、出血源を同定するための精査が必要となります。精査は主に大腸カメラによって行います。
大腸カメラでは、大腸の中を直接観察し、病気がないか調べます。
病気が見つかった場合、病理検査や培養検査を行ったり、小さな病変であればその場で切除したりすることも可能です。
毎年便潜血検査を受けると大腸がんの死亡リスクは60-70%減少すると推定されており、定期的に検診を受けることと、陽性となった際は大腸カメラを受けることが重要です。